Pinbackって何??コチラを→

“ハードコア”という太い幹から枝葉を広げ、様々な果実を実らせたのがこの30年のUSインディーの軌跡だとするなら、ピンバックのふたり――ザック・スミスとロブ・クロウが辿った歩みというのも、まさにそれと重なるものだといえるだろう。
スリー・マイル・パイロットとヘヴィ・ヴェジタブルズという、ハードコア/ポスト・ハードコアと深い関わりのあるバンドを出発点とし、90年代の終わりにピンバックを結成後も並行してふたりが幾多のプロジェクトに携わり続けてきたことはご存知の通りである。その数はソロ名義も含めて10以上に及ぶが、それぞれのプロジェクトで多彩なアプローチが試されながらも、“ハードコア”はふたりの活動を貫くバックボーンとなり得てきた。近年でいえば、ザックのスリー・マイル・パイロット再結成、ロブの覆面メタル・ユニット=ゴブリン・コックがトピックだろうか。とりわけロブのディスコグラフィーは、フランク・ザッパやキャプテン・ビーフハートの60/70年代ガレージ~サイケデリック・ロック、カンやノイ!のクラウト・ロック、タンジェリン・ドリーム~クラウス・シュルツのジャーマン・エレクトロ、ミニマル、アコースティック、ローファイ……と、きわめて広範な音楽的バックグラウンドを披露するものだ。
もっとも、肝心の“ハードコア”については、それこそピンバックを聴いてサウンドからそのイメージを直接的には実感しづらいかもしれない。時にフィンガー・ピッキングも織り交ぜた端整な演奏からは、むしろ“ハードコア”とは真逆のアメリカーナ的な叙情性やみずみずしい唄心が浮かび上がる。けれど、ふたりの穏やかなヴォーカル・ワークと織りなすそのアンサンブルが描き出すのは、いわば“ハードコア”が脱皮と進化/深化を重ねたはてに辿り着いた“コア”であり、系譜的にはトータスやジョーン・オブ・アークと共にするUSインディーの文脈で捉えるのがふさわしい。その音楽樹形図の末尾には、たとえば実力派ポスト・ロック・バンドの後身プロジェクト、コレクションズ・オブ・コロニーズ・オブ・ビーズがボン・イヴェールと組んだヴォルケーノ・クワイアーを置くことができるだろう。
そして、そんなピンバックの饒舌で奥行き豊かな音楽は、より間近でその響きや深みを堪能できるライヴでこそ鮮やかに映えるものにちがいない。ノー・エイジやジャパンドロイズのような“ハードコア”・バンドのファンももちろん、ぜひ会場に足を運んでもらいたい。

  text by 天井潤之介

Full Performance (Live on KEXP)
https://www.youtube.com/watch?v=WaSeHrVJV5I

<PINBACK 来日公演>

6/27(木)東京 原宿 ASTRO HALL
OPEN 18:30 / START 19:30

6/28(金)東京 原宿 ASTRO HALL
OPEN 18:30 / START 19:30

問)クリエイティブマンTEL:03-3499-6669